事件現場:まさかの電柱、横倒し
Pasay市のA. Libertad St.周辺を歩いていたら、電柱が根元からまさかの"横倒し"になっている現場に遭遇しました。倒れた電柱には無数の電線・通信ケーブルが絡まったまま道路にせり出し、周辺は赤白のポールでガッチリ封鎖。スカイトレイン(LRT/MRT)の高架下という、それなりに交通量のある通りでの出来事でした。
幸い居合わせた人にケガはなさそうでしたが、あの量のケーブルが束になって落ちてきたらと思うとゾッとする光景です。
そもそも、この"電線スパゲティ"は何なのか
フィリピンの街を歩いていると、電柱の上でぐちゃぐちゃに絡み合った黒いケーブルの塊をよく見かけます。あれは電力会社(マニラならMeralco)の配電線だけでなく、通信会社・ケーブルテレビ会社・インターネットプロバイダーなど、複数の事業者がそれぞれ独自に電柱へケーブルを増設し続けた結果です。各社が統一ルールなしにバラバラの高さ・タイミングで配線してきたため、誰のケーブルが今も使われていて、誰のケーブルが古い「使われていない配線」なのか、現地の人ですら把握できていないケースが多いそうです。
実は"危険"でもある
単なる見た目の問題だけではありません。現地メディアの報道では、この電線スパゲティにまつわる危険性がいくつも指摘されています。
- 感電リスク:生きている電線に洗濯物や看板が触れて感電事故が発生した例も
- 台風時の落下:強風で古いケーブルごと電柱に負荷がかかり、倒壊・落下しやすい
- 歩行者・車両の妨げ:垂れ下がったケーブルが歩道や陸橋をふさぐことも
- そして今回のような、電柱そのものの倒壊
マニラ市長は「200万キロ分もの、もはや使われていない・使い道のない電線が街にぶら下がっている」と表現しており、これが電柱の倒壊リスクにもつながっていると指摘しています。
マニラ市も本気で対策中
実はこの"スパゲティワイヤー"問題、フィリピンでも社会問題として認識されており、マニラ首都圏開発庁(MMDA)やメトロマニラ協議会(MMC)が2024年に規制の決議を採択、マニラ市も2025年から電力・通信・ケーブル各社に対して不要な配線の撤去命令を出す取り締まりキャンペーンを開始しています。電力会社大手のMeralcoも「最後の1本のスパゲティワイヤーがなくなるまで撤去を続ける」とコメントしており、地道な整理が進められている最中です。
まとめ
今回遭遇した「電柱そのものが倒れる」という光景はさすがにレアケースですが、あの独特な配線カオスの背景には、複数事業者の無秩序な配線の積み重ねという、なかなか根深い事情がありました。フィリピンで生活していると見慣れてしまう光景ですが、台風シーズンや老朽化した電柱の近くを歩くときは、ちょっと上も気にしてみると良いかもしれません。
※本記事の写真は筆者が現地で実際に撮影したものです。事故・倒壊の詳しい原因や責任の所在については確認しておらず、あくまで街の様子として紹介しています。
参考にしたサイト